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  3. まず確認したいのは「借りられる金額」ではなく「安心して返せる金額」です

金利が上がると、家づくりはどう変わる?

最近、住宅ローンの金利について不安を感じる方が増えています。

「今、家を建てても大丈夫でしょうか」
「金利が上がるなら、もう少し待った方がいいですか」
「変動金利と固定金利、どちらが良いですか」

このようなご相談をいただくことがあります。

たしかに、金利が上がると住宅ローンの返済額に影響します。
同じ金額を借りても、金利が高くなれば毎月の返済額は増えます。
また、毎月返せる金額が同じであれば、借りられる金額は少なくなります。

ただし、ここで大切なのは、金利が上がるから家づくりをあきらめる、ということではありません。

大切なのは、金利が上がっても家計が苦しくなりにくい計画にすることです。

まずは「返せる金額」から考える

住宅ローンを考えるとき、多くの方が最初に気にされるのは「いくら借りられるか」です。

銀行の事前審査で大きな金額が出ると、少し安心するかもしれません。
でも、ここで注意したいのは、銀行が貸してくれる金額と、家族が無理なく返せる金額は同じではないということです。

家づくりでは、借りられる上限いっぱいまで借りるのではなく、毎月の暮らしを続けながら安心して返せる金額を決めることが大切です。

特に子育て世帯では、これから教育費、車の買い替え、家電の故障、医療費、旅行や帰省費用など、住宅ローン以外にもお金がかかります。

家は完成したら終わりではありません。
入居後も、固定資産税、火災保険、光熱費、メンテナンス費用が続いていきます。

だからこそ、住宅ローンだけを見て「払える」と判断するのではなく、暮らし全体のお金を見ながら計画することが必要です。

金利が変わると、毎月返済額はどれくらい違う?

たとえば、4,000万円を35年返済、ボーナス払いなしで借りた場合、金利によって毎月返済額は大きく変わります。

金利の目安毎月返済額の目安家計への印象
年0.945%の場合約11.2万円比較的抑えやすい
年1.945%の場合約13.1万円約2万円増える
年3.210%の場合約15.9万円約4.7万円増える

これはあくまで参考ですが、金利が上がると毎月の返済額がかなり変わることが分かります。

毎月2万円の差は、年間で24万円です。
毎月4万円以上の差になれば、年間で50万円前後の違いになります。

家計を預かる立場から見ると、この差はとても大きいと思います。

だからこそ、住宅ローンを考えるときは、今の金利だけでなく、

「もし金利が1%上がったらどうなるか」
「固定金利で考えたら毎月いくらになるか」
「教育費が増える時期でも払えるか」

このように、少し厳しめの条件でも確認しておくことが大切です。

毎月返済額が同じでも、借りられる金額は変わる

もう一つ知っておきたいのが、金利が上がると「同じ毎月返済額で借りられる金額」が少なくなることです。

たとえば、毎月12万円までなら住宅ローンに回せると考えた場合、金利によって借入可能額の目安は次のように変わります。

金利の目安月12万円で借りられる金額の目安
年0.945%の場合約4,290万円
年1.945%の場合約3,650万円
年3.210%の場合約3,020万円

つまり、毎月の返済額を同じにしたい場合、金利が上がるほど、土地や建物に使える総額は小さくなります。

ここが、金利上昇時の家づくりでとても大切なポイントです。

土地に予算をかけすぎると、建物にかけられる予算が少なくなります。
建物に予算が足りなくなると、断熱性能、耐震性能、窓の性能、家事動線、収納、外構など、本当は大切にしたかった部分を削らなければならないことがあります。

理想の土地だけを追い続けない

土地探しでは、どうしても「もっと良い土地があるのでは」と考えてしまいます。

もっと広い土地。
もっと便利な場所。
もっと日当たりの良い土地。
もっと学校に近い土地。
もっと形のきれいな土地。

もちろん、希望に合う土地を探すことは大切です。

しかし、理想の土地だけを追い続けて土地に予算を使いすぎると、建物や暮らしの余裕がなくなってしまうことがあります。

家づくりで大切なのは、土地だけを良くすることではありません。
土地と建物、外構、諸費用、そして入居後の暮らしまで含めて、無理のないバランスを取ることです。

たとえば、総予算5,000万円で考える場合、次のような違いが出ます。

項目土地優先型バランス型
土地2,000万円1,600万円
建物2,300万円2,600万円
外構・付帯工事300万円350万円
諸費用250万円250万円
家具家電・予備費150万円200万円
合計5,000万円5,000万円

土地優先型が悪いわけではありません。
ただ、土地に予算を寄せすぎると、建物の性能や暮らしの余裕が圧迫されることがあります。

少し条件をゆるめた土地でも、その分、建物の性能や間取り、収納、家事動線に予算を回せるなら、結果的に暮らしやすい家になることもあります。

安い土地にも、高い土地にも理由がある

土地探しでは、価格だけで判断しないことも大切です。

一見安く見える土地でも、道路との高低差がある、古い擁壁がある、水道や排水の工事が必要、古家の解体が必要、境界がはっきりしないなど、あとから費用がかかる場合があります。

反対に、少し高く見える土地でも、造成や外構費が少なく済み、結果的に総額では大きく変わらないこともあります。

土地代だけを見るのではなく、

「この土地に家を建てるまでに、総額でいくらかかるのか」
「外構や造成に余分な費用はかからないか」
「建物に必要な予算を残せるか」

ここまで確認することが、後悔しない土地選びにつながります。

削ってよいもの、削ってはいけないもの

金利が上がると、予算調整が必要になることがあります。
その時に大切なのは、何を削るかの順番です。

家づくりでは、後から直しにくいものほど、最初にしっかり考える必要があります。

優先度なるべく守りたいもの理由
高い断熱・窓・気密・耐震・防水暮らしの快適さと安心に直結する
高い外壁・屋根のメンテナンス性将来の修繕費に影響する
高い家事動線・収納計画毎日の暮らしやすさに関わる
調整しやすい内装の一部、照明演出、設備のグレード後から交換・追加しやすい

たとえば、キッチンや照明の一部は、将来交換することもできます。
しかし、断熱性能や窓、耐震、防水は、後からやり直すと大きな費用がかかります。

予算を抑える場合でも、見えない部分の性能まで簡単に削ってしまうのはおすすめできません。

主婦目線で見たい家計チェック

家計を考える時は、難しい専門用語よりも、次の3つを確認するだけでも十分です。

チェック項目確認すること
今の金利なら?毎月いくら返すのか
金利が1%上がったら?家計に余裕が残るか
固定金利なら?安心料として払える金額か

この3つを夫婦で共有しておくと、住宅ローンの話がかなり現実的になります。

「なんとなく不安」ではなく、
「この金額なら大丈夫」
「ここまで上がると少し苦しい」
「この範囲なら安心して進められる」

という判断がしやすくなります。

住宅ローンで本当に大切なのは、審査に通ることだけではありません。
月末にため息をつかずに暮らせることです。

契約から引渡しまでの金利にも注意

注文住宅では、契約してすぐに住宅ローンが実行されるわけではありません。

土地探し、契約、設計、工事、完成、引渡しまでには時間がかかります。
住宅ローンの商品によっては、申し込み時ではなく、実際にお金を借りる日の金利が適用される場合があります。

つまり、契約時には大丈夫だと思っていても、引渡し時に金利が上がっていれば、毎月返済額が変わる可能性があるということです。

そのため、家づくりの途中でも、

「ローンの本審査はいつか」
「金利はいつの時点で決まるのか」
「引渡し予定月の金利が上がったらどうなるか」

を確認しておくことが大切です。

また、事前審査が通った後に車のローンを組んだり、カードの分割払いを増やしたり、転職をしたりすると、本審査に影響することもあります。

家づくり中は、大きなお金の動きにも注意が必要です。

最後に大切なのは、家族が安心して暮らせること

金利が上がる時代の家づくりでは、焦りすぎる必要はありません。
ただし、何となく進めるのは危険です。

大切なのは、

「借りられる金額」ではなく「安心して返せる金額」で考えること。
土地と建物の予算バランスを見ること。
安い土地の理由を確認すること。
後から直しにくい性能を簡単に削らないこと。
金利が上がった場合の返済額も見ておくこと。

この5つです。

金利が上がるから家づくりをやめる、ではなく、金利が上がっても崩れにくい計画にする。

それが、これからの住まいづくりでとても大切な考え方です。

家は、建てた瞬間だけ満足するものではありません。
10年後、20年後も、家族が安心して暮らせることが大切です。

そのためにも、土地、建物、ローン、暮らしのお金を一緒に見ながら、無理のない家づくりを考えていきましょう。

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