家づくりを考えている方に
ぜひ知っておいていただきたい
「夏の湿度」についてのお話です。
日本の夏はとても蒸し暑いですよね。
気温が高いだけでなく、
ジメジメした湿気が体にまとわりついて、
思わず「エアコンつけっぱなし…」
なんてことも。
実はこの「湿度」、
家の快適性や健康にも
大きな影響を与えるんです。
そこで今回は、家の中を
快適な湿度で保つための
考え方や対策をわかりやすく解説します!
ヨーロッパの夏は40℃を超えても
カラッとしていることが多いのに対し、
日本の夏は「ムシムシ・ジメジメ」が特徴。
これが私たちをしんどく感じさせる原因です。
人間の汗が蒸発しにくくなり、体温調整がうまくできない
結果、熱中症のリスクが高まる
カビ・ダニも増えやすく、健康にも悪影響
家の中の湿度を上げてしまう「湿気」は、
大きく分けて3つのルートからやってきます。
今の住宅には「24時間換気」が
義務づけられています。
これは健康のために必要なのですが、
外の湿った空気がどんどん家に
入ってきてしまうんです。
例えば、岐阜の夏の外気は
1㎥あたり約21.6gの水蒸気を
含んでいます。
快適な室内環境(25.5℃・湿度55%)
に保とうとすると、
1日に約32Lもの水分を除湿しないと
いけない計算になることもあります。
人間の呼吸や汗:1人あたり1日1Lほど
洗濯物の室内干し:10kgの洗濯物なら約5Lの水分
お風呂の湯気:1日2~15Lも発生することも
調理や炊飯:1日0.1~0.6L
食洗機などの家電からの蒸気も無視できません
湿気は空気だけでなく、
壁材や断熱材を通じて
「にじみ出る」ように入って
くることもあります。
気密・断熱性能によっては、
1日で7L以上の水分が侵入してくることも!
では、それだけの湿気をどうやって取り除くか?
方法 | 除湿量(1日) | 備考 |
---|---|---|
家庭用除湿機 | 約0.6L | 焼け石に水かも… |
業務用除湿機 | 約33L | 大型・現実的でない |
エアコン | 最大約43L | ドレーンホースで自動排水可能。 |
※エアコンは「部屋の温度が下がると除湿をやめてしまう」サーモオフ問題もあるので要注意!
湿度対策の基本は「入ってくる湿気を減らすこと」。
熱交換換気システムを採用することで、換気による湿気の流入を大幅にカット(40%減も可能)
**気密性・断熱性の高い外皮(壁・屋根)**で、湿気のにじみ出しをブロック
生活習慣を見直す(例:夏はお風呂のお湯を早めに抜く、部屋干しを避けるなど)
理想の湿度コントロールは、
単なる家電まかせでは難しいです。
大切なのは、「湿気の量」と「除湿の力」を
しっかり計算して、
過不足なく設計することです。
夏を快適に、健康に、
そして省エネで過ごすためには、
湿度コントロールがとても大切。
感覚や「なんとなく」ではなく、
きちんと根拠を持って
設計してくれる人と一緒に
家づくりをしてみませんか?