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  3. 【地震に備える】地盤被害のリスクと対策を知ろう|液状化・土砂崩れ・地割れへの備え

「地震による地盤の被害にどう備えるか?」

住まいづくりにおいて一番と言って良いほど
関心のあるテーマについてお伝えします。

今だ復旧作業が継続中の能登半島地震の
爪痕ですが、地震災害の大きさを感じます。

この大きな地震を受け、地盤への備えの
重要性があらためて見直されています。

これまでも耐震構造の大切さについて
お伝えしてきましたが、
地震に強い家を建てるうえでは
「どんな地盤の上に家を建てるか?」
という視点も欠かせません。

今回はその地盤に焦点を当てて解説します。


地盤被害って何?液状化って?

「地盤被害」と聞いてピンとこない
方もいるかもしれませんが、
報道などで「液状化現象」という
言葉は耳にしたことがあると思います。

例えば、1995年の阪神淡路大震災で
神戸のメリケンパーク周辺が液状化し、
地面がグチャグチャになったことがありました。

また、千葉のディズニーランド近くや、
新潟でも液状化被害がたびたび報告されています。


地震による主な地盤被害の3種類

地震による地盤被害は、大きく分けて以下の3つに分類されます。

① 土砂崩れ(+津波)

山や崖の近くでは、地震によって斜面が崩れ、
大量の土砂が流れ込む危険があります。

また、津波も地盤条件により被害の大きさが異なります。

② 地割れ

漫画のように地面がパックリ割れる現象。

実際に家が沈んだり、車や人が
落ちてしまうケースもあります。

③ 液状化現象

砂質土の地盤に多く見られ、
地震によって砂粒の隙間にある水分が
押し出され、地面が一時的に
液体のようになってしまう現象です。

家が傾いたり、水道や下水の配管が
破損する原因になります。


被害を防ぐための第一歩:ハザードマップの確認

地盤災害の備えとしてまず行いたいのが、
ハザードマップの確認です。

洪水リスクを見る人は多い一方で、
地震・液状化・土砂崩れ・津波
ハザードマップを見る人は意外と
少ない印象です。

しかし、能登の地震でも、
実際に被害があったエリアは
ハザードマップで警告されていた場所でした。

➤ ポイント:

  • ハザードマップは「伊達や酔狂」で作られているわけではありません。

  • 土砂災害・津波のリスクが高い場所では、そもそも住むべきかを再検討する必要があります。


液状化リスクはどう見極める?

液状化が起こりやすいのは、
砂質土の地盤、特に海や川の
近くにあるエリア
です。

確認方法①:地形と地質をチェック

  • Googleマップの航空写真や地形図で、かつて川や海だった場所かを確認

  • 例えば広島のような三角州エリアは要注意

確認方法②:液状化の履歴を調べる

  • 過去に液状化が発生した記録があるエリアは、再発の可能性も高いです


地盤調査のススメ:スクリューウエイト貫入試験

家を建てる際には、
「スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)」
という方法で、地盤の強さを調べることができます。

T字型のドリルで地面にねじ込みながら
重りを載せて、沈む深さや抵抗を
測定する簡易的な方法ですが、
非常に精度が高く、液状化リスクの判定にも使えます。


液状化への対策は?2つのアプローチ

液状化対策としては、大きく分けて以下の2つの方法があります。

① 液状化が起こりにくい地盤に改良する

  • 地中の水を抜くなど、大掛かりな工法

  • 公共施設向きで、個人宅ではコスト面から難しい場合も

② 液状化しても家が沈まない構造にする

  • 「柱状改良」や「鋼管杭」で、深い硬い地盤まで支柱を届かせて支持力を確保

  • 地盤が緩くても、家を支えることが可能


傾いた家も復旧可能なケースがある

地盤の粘土層などによって家が傾く
「圧密沈下」が起こった場合でも、
しっかりとした基礎と構造を持つ家であれば、
ジャッキアップで復旧可能
です。

つまり、耐震性能の高い家づくりは、
地盤被害に対しても有効な備えとなります


安全な家づくりには「地盤対策」が必須

これから家を建てる、あるいは建て替える方は、
建物の耐震性能だけでなく、土地の地盤特性
よく調べてください。

  • ハザードマップを見る

  • 液状化履歴を調べる

  • スウェーデン式サウンディング試験を活用する

  • 必要に応じて地盤改良を検討する

安全な暮らしのために、地盤対策という
視点をしっかり持って、地震に強い
家づくりを実現しましょう。

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