今更ですが、外壁の役割ってご存知ですか?
建物の外観の中で一番大きな面積を占めています。
建物の印象に大きく影響し、そのイメージを決定します。
だから、住まい手さんは好みの素材やカラー、
テクスチャーを選択しますよネ。
ここにも住まいづくりの大きな楽しみの一つがあります!
つまり、外壁は建物をかっこよく見せるツール!?
だけではありません!!
外壁は外観を決めるだけではなく、
住まいの寿命を決定する
大きな役割を持っています。
・1つ目は、震度7の大地震にも耐える耐震性です。
(将来は震度8という設定ができるかも知れません)
・2つ目は、雨が降っても室内に浸透しない防水性です。
・3つ目は、快適な室内環境を確保するための断熱性能です。
・4つ目は、計画的な換気のための気密性能です。
・5つ目に、外壁内で結露を発生させないことです。
外気が0℃前後、
または下回ることもある真冬に、
暖房と加湿の暖かく湿った空気が
室内から外壁の中に侵入すると、
その湿気をそのまま外壁内にとどめず、
室外まで移動させることで、
5つ目の役割を果たします。
①耐震性能は、許容応力度計算を行い耐震等級3を
確保することで震度7の大地震に耐え、
そのあとも住み続けることができます。
みなさんが検討中の会社があれば、
その担当の方に直接聞くと
すぐに教えてもらえると思います。
②防水性は、外壁材の下の透湿防水シートの
継ぎ手部分のテープ貼も丁寧に行い、
防水層の確実な施工がとても重要です。
担当の方と一緒に現場を見ながら
丁寧な施工かどうか確認しましょう。
もちろん、外壁材自体の耐久性も確認しましょう。
③断熱性能は、熱抵抗値がいくつに
なるかを確認しましょう。
外壁の熱抵抗値は、4m2・K/W前後は欲しいですね。
その数値が得られれば断熱材の種類は
なんでも良いと思います。
この数値はすぐに計算できますので、
打合せの時でもその場ですぐ聞くことができるはずです。
工期や予算、蓄熱性や防音など、
求める性能がある場合は、
その性能に見合った断熱材を検討しましょう。
④気密性能について、
必ず施工時と完成時の2回気密測定を行いましょう。
HEAT20のC値推奨値は0.7±0.2cm2/m2です。
C値を0.1cm2/m2以下までとことん
追求する業者さんも存在しますが、
そのコストの負担はすべて
住まい手さんに掛かってきます。
将来を考えても0.5cm2/m2程度を目指すことが
良いバランスでは無いでしょうか。
絶対にやってはいけないことは、
気密測定を行わずカタログ値を当てにすることです。
住まい一棟一棟すべて施工の手が異なるので、
カタログ通りの数値になる保証はありません。
また、工事中の測定1回だけで
完成時の測定を行わないことも絶対に避けたいです。
工事中の測定から完成までの工程で、
設備やその他の仕上工事によって
0.1から0.3程度数値が下がる場合が多いです。
住まいの気密性能は、完成時の測定値であることを
頭に留めておきましょう。
5.結露を起こさないために結露計算の確認を行いましょう。
結露計算によって外壁の構成が
結露を起こすか起こさないかを
事前に知ることができます。
したがって、結露計算を行わない理由は一切ありません。
検討中の業者さんがいれば、外壁の構成と結露計算の結果は、
絶対に聞いてくださいね。
もちろん、気密シートの確実な施工、
設備配管周りの小さなスキマの処理、
面材継ぎ手の気密テープ貼など、
丁寧な施工をすることは一番の大前提です。
ただ外壁と言うだけでこれだけの検討項目があります。
外観も大切です。ただ外観だけに重点を置くのでは無く
これら5項目も同様に納得するまで検討しましょう!
外壁の役割のどれ一つ欠けても、
建て主さんの幸せを壊すことになります。
外壁の検討は、プロの方と良く話し合いをして
将来を見越して決定することをおすすめします。
今回は、外壁のような目新しくないことにも
大切な検討事項があることをお伝えしました。
基本的なことを再度チェックして、
住まいづくりが終わり住み始めてから
楽しいはずの暮らしの中で
後悔を感じることが無いように
事前の注意、チェックは絶対に行いましょうね!!