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  3. 耐震等級3の必要性: 住み続けられる家を

近年の地震の多発を受け、

住宅の耐震性能への

関心が高まっています。

耐震等級3という言葉を

耳にする機会も増えましたが、

その本当の意味を

ご存知でしょうか?

 

今回は、木造住宅の耐震基準の

変遷と、熊本地震の

被害調査結果を踏まえ、

これからの家づくりを考える上で

重要な耐震等級3の必要性

ついて解説します。

 

今の耐震基準は43年前?!

現在の耐震等級1の設計基準は、

実は1981年に制定された

ものがベースとなっています。

 

壁量計算基準は43年前、

壁の配置バランスや

接合部の基準に至っては24年前と、

驚くほど古い基準で

設計されているのが現状です。

この間、数多くの地震が発生し、

建築技術も進歩している

にも関わらず、なぜ基準が

変わっていないのでしょうか?

 

それは、「安全な家」に対する

認識のズレにあります。

 

国、建築業者、そして一般の方々

それぞれが考える「安全」の

基準が一致していないことが

問題なのです。

 

耐震等級1の本当の意味

耐震等級1の住宅は、

震度6強から7クラスの

地震に対して「1度だけ倒壊しない」

ことを目指して設計

されています。

 

つまり、命は守られる可能性が

高いものの、住み続けることは

困難なレベルの損傷を

受ける可能性があるということです。

 

熊本地震の被害調査では、

震度7の揺れを2回受けた

益城町で、耐震等級1の住宅は

倒壊しなかったものの、

大きな損傷を受けたケースが

多く見られました。

一方、耐震等級3の住宅16棟は

全て、居住可能なレベルの損傷に

留まっていました。

 

 

 

このことから、耐震等級3こそが、

一般的にイメージされる

「地震後も住み続けられる家」

と言えるでしょう。

 

耐震等級3の2つの計算方法

耐震等級3には、

「許容応力度計算」と「品確法」

という2つの計算方法があります。

 

同じ耐震等級3でも、

計算方法によって

耐震性能に差が生じます。

 

品確法による計算は簡易的ですが、

安全率が高めに設定されているため、

耐震性能はやや低い傾向にあります。

一方、許容応力度計算は

詳細な計算が必要ですが、

より高いレベルの耐震性能を

実現できます。

熊本地震の調査結果からも、

の許容応力度計算による

耐震等級3は、地震後の

住み続けられる可能性を

高める上で有効である

ことが示唆されています。

 

耐震等級3の費用は?

耐震等級1から3への

アップグレードにかかる費用は、

建物の規模にもよりますが、

30坪程度の住宅であれば

100万円程度と言われています。

43年前の基準に基づいた

住宅と比較して高いと

感じるかもしれませんが、

将来の安心・安全を確保

するための投資としては

決して高くはないはずです。

 

これからの家づくりは耐震等級3を標準に

耐震等級3は、地震後も

住み続けられる安全な家を

実現するための重要な指標です。

 

建築業者も、お客様も、

許容応力度計算による

耐震等級3を標準とする

時代が来ると信じています。

家づくりを検討する際には、

耐震性能について

しっかりと理解し、

家族の安全・安心を

守るための最適な選択

をしましょう。

 

ポイント

  • 耐震等級1は命を守るための最低限の基準であり、地震後も住み続けられる保証はない。

  • 耐震等級3は、地震後も住み続けられる可能性が高い、真に安全な家と言える。

  • 耐震等級3には2つの計算方法があり、許容応力度計算の方がより高い耐震性能を実現できる。

  • 耐震等級3へのアップグレード費用は、将来の安心・安全への投資と考えれば決して高くない。

耐震等級3について

さらに詳しく知りたい方は、

ぜひご相談ください。

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