先日、お客様との住まいの打ち合わせで、照明器具についてお話ししていたとき、こんな話題が出ました。
「LED一体型のダウンライトは、別々の時期に故障すると、そのたびに交換をお願いしなければならないのではありませんか?」

さらに、こんなお話もありました。
「必ずしもダウンライトでなくてもよい場所なら、ホームセンターなどで買えるLED電球を使う器具にすれば、自分たちで交換しやすいと思います」
家づくりでは、完成したときのデザインや明るさに目が向きがちです。しかし、暮らし始めてからの手間まで考えることも大切です。
今回の打ち合わせをきっかけに、心地よさと維持管理の両方から、住まいの照明を考えてみたいと思います。
夕食の準備をするときと、食後にソファでくつろぐとき。同じ照明を、同じ明るさでつけていませんか。
包丁を使ったり、食器の汚れを確かめたりするときには、手元がよく見える明るさが必要です。一方、お茶を飲みながら話す時間には、少し明るさを落とした方が落ち着くこともあります。

大切なのは、「必要な場所に、必要な明るさを用意する」という考え方です。
食事のときはテーブルを照らす。本を読むなら手元のスタンドをつける。くつろぐときは壁際の照明を中心にする。
部屋全体を照らすあかりと、作業する場所のあかりを分けておくと、そのときの暮らしに合わせられます。
ただし、落ち着いた雰囲気を優先して、足元まで暗くしてはいけません。廊下や階段、夜中にトイレへ向かう通り道は、安全に歩ける明るさを確保しましょう。
ソファに座ったとき、天井の照明が目に入り、まぶしく感じたことはありませんか。寝室では、横になると照明が目の前に見えることもあります。
照明は、床や机を照らすだけでなく、人の目からどう見えるかも大切です。
天井に埋め込む「ダウンライト」は、天井をすっきり見せられる便利な器具です。ただ、それだけで家中を照らそうとする必要はありません。

壁に取り付ける「ブラケットライト」、天井からつり下げる「ペンダントライト」、机や床に置く「スタンドライト」なども選択肢です。
壁付け照明の例:AXCIS「E26可動式ブラケット/セラミック HS2395」。電球を交換でき、器具の角度も調整できます。電球が直接見えるため、取り付ける高さや目線との関係を考えます。
写真・商品情報:AXCIS公式サイト
壁や天井に当たった光の反射を使い、やわらかく照らす方法もあります。
器具の形だけでなく、「いつも座る場所や、横になる場所からまぶしくないか」まで確認しましょう。
ネットで見つけた素敵な照明も、自分の家に取り付けると印象が違うことがあります。
写真では小さく見えたのに、実物は大きく、食卓の上で圧迫感が出る。反対に、小さすぎて物足りなく感じる場合もあります。
特にペンダントライトは、器具の大きさ、テーブルの寸法、天井の高さ、つり下げる位置を一緒に考えることが大切です。

低すぎると向かいの家族の顔が見えにくくなり、高さによっては電球が直接目に入ることもあります。
実物を見られない場合は、紙や段ボールで同じくらいの大きさを作り、設置する場所で確かめる方法もあります。数字だけを見るより、暮らしの中での大きさを実感できます。
照明には、オレンジがかった温かみのある「電球色」や、自然な白さの「昼白色」などがあります。
夜のリビングでくつろぐ場所には電球色、洗面台で化粧や身支度をする場所には白い光など、そこで何をするかに合わせて選びます。
ただし、ひと続きのLDKでは、キッチンだけ白く、ダイニングはオレンジ色という違いが気になる場合もあります。同時につけたとき、空間全体がどう見えるかも確認しましょう。
食卓でお子さんが宿題をするなら、勉強のときだけスタンドを足す方法もあります。
.png)
光の色を変える「調色」や、明るさを変える「調光」を使う方法もありますが、器具・電球・スイッチの対応を確認する必要があります。
LED照明には、電球を取り替えられるタイプと、光る部分が器具に組み込まれた「一体型」があります。
一体型は、故障すると器具ごとの交換が必要になるものが一般的です。配線に直接つながっている器具の交換には、電気工事が必要になります。
例えば、何台かのダウンライトが別々の時期に故障したら、その都度、交換の依頼や訪問日の調整が必要になる可能性があります。
電球交換型なら、不具合の原因が電球側にある場合、対応する電球への交換で済みます。業者への依頼や立ち会いを減らせることは、暮らしの中で大きなメリットになります。
天井・壁付け照明の例:パナソニック「NNN51800」。器具本体と電球を分けて考えられる、シンプルなE26電球交換型です。電球は別売で、メーカー指定の適合品を選びます。
写真・商品情報:パナソニック公式サイト
おすすめは、「E26口金」のLED電球を使う方法です。
E26とは、電球をねじ込む部分の大きさを表す規格です。一般的な電球形LEDにも多く使われています。

この電球を、シンプルな天井付け器具や壁付け器具に取り付ける。そうすれば、ダウンライトに限定しなくても、交換しやすいあかりを計画できます。
シンプルな器具の例:AXCIS「セラミックソケット ストレート HS2679」。壁にも天井にも取り付けられる磁器製の器具です。E26のLED電球を使えますが、人感センサー・調光スイッチには対応していません。
写真・商品情報:AXCIS公式サイト
器具によっては、購入時の費用も抑えられる可能性があります。ただし、電球代と工事費を含めて比べることが必要です。
また、E26なら、どんな電球でも使えるわけではありません。電球の大きさや消費電力、調光への対応などを確認します。
電球が露出する器具では、まぶしくない位置に設ける工夫も必要です。
プラスホームでは、市販の交換電球を入手しやすく、お客様が安全に交換できる照明を基本にご提案する方針で考えていきます。
E26のLED電球を使う器具を優先しながら、必要な明るさ、デザイン、交換方法を比べ、用途に合うものを選んでいきたいと思います。
なお、電球交換型でも、器具本体は古くなります。電球を替えるだけで永久に使えるわけではなく、長く使った本体の点検や交換も必要です。
電球交換型でも、高い吹き抜けや階段の上では、交換が難しくなります。将来、年齢を重ねたときにも無理なく管理できる場所か、設計中に考えておきましょう。
スタンドライトを使う場合は、コンセントの位置も重要です。

ソファやベッドの近くにコンセントがなければ、延長コードが床を横切り、掃除の邪魔やつまずきの原因になります。家具の配置と一緒に計画しておくと安心です。
スイッチも、家具の後ろに隠れないか、無理なく手が届くかを確認します。
お気に入りの照明を自分で購入したい場合も、取り付け方法や納期、不具合時の対応を、購入前にご相談ください。
寝室の照明に迷ったら、今の住まいで、小さな照明を使って寝る準備をしてみるのもよい方法です。歩く場所の明るさを確保しながら、どこに光が欲しいかを確かめてみてください。

玄関や庭も同じです。買い物袋を持って帰ったとき、通り道や段差、鍵を取り出す場所が見えるか。夜の帰宅場面まで想像すると、必要なあかりが分かります。
照明は、すべてを高価な器具にする必要はありません。食卓にはお気に入りを一つ。ほかの場所は、使いやすく交換しやすいシンプルな器具を選ぶ。そんなメリハリも大切です。
お客様からいただく日々の暮らしへの視点は、私たちにとっても大切な気づきになります。
プラスホームでは、完成したときの美しさに加え、住み始めてからの使いやすさや維持管理まで考え、長く心地よく暮らせるあかりを一緒に選んでいきたいと思います。