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  3. 等級6・7でも失敗する家づくりとは

知らないと後悔する「5つの落とし穴」と、本当に大切な住まいの考え方

最近、「断熱等級6」や「断熱等級7」といった言葉を耳にする機会が増えました。
家づくりを考えている方の中には、「せっかく建てるなら、できるだけ性能の高い家にしたい」と考える方も多いと思います。

それ自体は、とても大切な考え方です。
実際、これからの時代は、断熱性や省エネ性の低い家よりも、しっかりと性能を確保した家の方が、快適性・健康・光熱費の面で有利になるのは間違いありません。

しかしその一方で、現場ではこんなことも起きています。

性能の数字は高いのに、なぜか住みにくい。
高性能住宅のはずなのに、思っていたほど快適ではない。

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。

結論から言えば、数字だけを追いかけた家づくりになってしまうと、本当に大切なことが抜け落ちるからです。

住まいは、性能の数字を集めるためのものではありません。
毎日の暮らしを支え、何十年にもわたって家族を守るためのものです。

だからこそ、家づくりでは「等級が高いかどうか」だけでなく、実際の住み心地や将来の安心まで含めて考える必要があります。

今回は、これから住まいづくりを検討される方に向けて、高性能住宅でも失敗してしまう代表的な5つの落とし穴と、私たちが本当に大切だと考えていることをお伝えします。


1.夏に地獄になる家

断熱だけでは、夏の快適さは守れません

「断熱性能が高ければ、夏も涼しいはず」と思われがちですが、実はそれだけでは不十分です。

なぜなら、夏の室内を暑くする大きな原因は、窓から入る日射だからです。
どれだけ断熱性能が高くても、強い日差しが室内に入り続ければ、家の中は簡単に暑くなってしまいます。

つまり、夏に強い家をつくるためには、断熱性能だけではなく、日射を入れすぎない工夫が欠かせません。

庇の出し方、窓の向き、窓の大きさ、アウターシェードの活用。
こうした計画があって初めて、夏の快適さが成り立ちます。

断熱性能の数字だけを見て安心してしまうと、
「高性能住宅のはずなのに、夏がとにかく暑い」という残念な結果になりかねません。


2.除湿できない高断熱住宅

これからの家づくりは、温度だけでなく湿度まで考える必要があります

高断熱住宅では、「室温はそれほど高くないのに、なんだかベタベタする」と感じることがあります。
これは珍しいことではありません。

高断熱の家は、冷房が効きやすい反面、設定温度に早く到達してエアコンが止まりやすくなります。
すると、温度は下がっても除湿が十分に進まないまま湿気が残ることがあります。

結果として、数字の上では快適そうに見えても、体感としては不快になるのです。

これからの家づくりで本当に大切なのは、
「夏の室温を何度にするか」だけではなく、湿度をどう安定させるかまで考えることです。

冷房の使い方、連続運転の考え方、間取りや空気の流れ。
こうしたことまで含めて設計しなければ、本当に快適な住まいにはなりません。


3.設備に頼りすぎた家

本当に強い家は、設備が止まっても暮らしが崩れません

最近は、全館空調やさまざまな高機能設備を前提とした家も増えています。
もちろん、設備がうまく機能している間は快適です。

しかし、ここで忘れてはいけないことがあります。
それは、設備は必ず古くなり、いつか故障するということです。

故障すれば生活に支障が出る。
更新費用が高額になる。
メンテナンスの負担が続く。

こうした問題は、住み始めてから少しずつ重くのしかかってきます。

だから私たちは、設備を否定するのではなく、設備に頼りすぎない家づくりを大切にしています。

まずは家そのものの性能を高める。
断熱・気密・日射遮蔽といった建物の基本性能をしっかり整えたうえで、必要な設備をシンプルに使う。

その方が、長い目で見ると安心で、住まいとしての強さも持続します。


4.「なんちゃって高性能住宅」

気密が弱いと、性能の数字は暮らしに変わりません

カタログや説明では高性能に見えるのに、実際にはそれほど快適ではない。
そんな住宅が生まれる大きな理由のひとつが、気密性能の不足です。

断熱性能についてはよく語られますが、実は気密性能、つまり家のすき間の少なさは、住み心地を大きく左右します。
すき間が多ければ、せっかくの断熱性能も十分に活かされません。
冷暖房の効き方にも差が出ますし、計画換気も安定しにくくなります。

しかも、この気密性能は、単に材料を選べばよいわけではなく、現場での丁寧な施工がとても重要です。
同じ仕様、同じ断熱等級でも、施工の精度によって体感は大きく変わります。

だからこそ、「等級が高いから安心」とは言い切れません。
本当に見るべきなのは、数字だけでなく、その数字を現場でどう実現しているかです。


5.将来のメンテナンスで後悔する家

家づくりは、建てる時より住み続ける時の方が長いのです

家づくりでは、どうしても最初の建築費に目が向きがちです。
しかし、本当に大事なのは「建てた後にどうなるか」です。

外壁や屋根の仕様によっては、10年から15年ごとに大きなメンテナンスが必要になることがあります。
内容によっては、一度に100万円から200万円ほどかかることも珍しくありません。

家は建てて終わりではなく、住み始めてからが本番です。
だからこそ、初期費用だけでなく、将来の維持費まで見据えて考える必要があります。

見た目だけでなく、耐久性や補修のしやすさ、将来の負担の少なさまで含めて検討すること。
それが、後悔しない家づくりにつながります。


本当に大切なのは「性能」だけではありません

暮らし方まで見据えて考えることが必要です

ここまで読むと、「では何を基準に家を選べばよいのか」と感じる方もいらっしゃると思います。

私たちが大切にしているのは、次の4つです。

  • 地震に強いこと
  • 熱を入れない・逃がさないこと
  • すき間をつくらないこと
  • 長く安心して住めること

言い換えれば、耐震・断熱と日射遮蔽・気密・劣化対策です。

ただ、家づくりにはもうひとつ、とても大切なことがあります。
それは、住まい手のご要望を「言葉どおり」に受け取るだけで終わらせないことです。


言葉に現れない「潜在的な要望」が大切

住まいづくりは、表面に出る要望だけかなえても足りません

住まいづくりの打ち合わせでは、お客様からいろいろなご希望を伺います。

「冬暖かい家にしたい」
「光熱費を抑えたい」
「快適に暮らしたい」
「家事がしやすい家がいい」

もちろん、これらはどれも大切なご要望です。
しかし、私たちはその言葉の奥にある本当の想いを、できるだけ丁寧に受け止めたいと考えています。

たとえば「冬暖かい家にしたい」という言葉の背景には、

寒さでつらい思いをしたくない、
ヒートショックのような健康リスクを減らしたい、
夜中のトイレや朝の着替えがつらくない暮らしにしたい、
年齢を重ねても安心して暮らしたい、

そんな気持ちが隠れていることがあります。

また、「光熱費を抑えたい」というご要望の奥には、

これから電気代がどうなるか不安、
年金生活になっても無理なく暮らしたい、
家計への負担を減らしたい、

といった将来への思いがあるかもしれません。

こうした思いは、最初からはっきり言葉になるとは限りません。
だからこそ私たちは、目の前の要望だけを並べて間取りや仕様を決めるのではなく、そのご家族が本当はどんな暮らしを望んでいるのかを丁寧に聞き取ることを大切にしています。

家づくりは、モノを選ぶ作業ではありません。
暮らしを一緒に整理し、形にしていく仕事です。
そこを大切にしないと、いくら性能の高い家をつくっても、「なんとなく違う」という家になってしまいます。


家づくりで後悔しないために

住まいづくりは、一生に一度あるかないかの大きな選択です。
だからこそ、「数字が高いから安心」「最新設備が入っているから安心」と考えてしまうのは危険です。

家は、性能の数字を競うものではありません。
家族の暮らしの質を高め、長く安心して生きていくための土台です。

本当に良い家とは、断熱等級や設備の種類だけでは決まりません。
夏の暑さや湿度まで考えられているか。
設備に頼りすぎず、長く安心して暮らせるか。
将来の維持費まで見据えられているか。
そして何より、そのご家族がまだ言葉にできていない本当の願いに応えられているか。

私たちは、そんな視点で住まいづくりを考えています。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
もし「自分たちの家の場合はどう考えればいいのか」と感じられた方は、どうぞお気軽にご相談ください。

現在のお住まいの状況や、ご家族の暮らし方をお伺いしながら、無理のない住まいづくりの考え方を、分かりやすくお伝えしています。

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