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  3. 断熱等級6の家で床下エアコンを使うなら、基礎断熱が基本になる理由

高断熱住宅が普及してきた現在、
断熱等級6以上の性能を前提に、床下エアコンで家全体を暖める設計が注目されています。

このとき、多くの方が迷うのが

「基礎断熱と床断熱、どちらを選ぶべきか?」

という問題です。

結論から申し上げると、

断熱等級6以上で床下エアコンを採用する場合、基礎断熱が前提になります。

これは単なる流行ではなく、物理的に合理的な理由があります。


床下エアコンの本質は「床下を室内として使うこと」

https://pds.exblog.jp/pds/1/201804/13/68/f0076968_18553428.jpg
床下エアコンとは、床下空間を暖房空間として利用し、床・壁・空気を通じて家全体を暖める暖房方式です。

つまり、

床下は「外」ではなく「室内」である必要があります。

ここが最大のポイントです。


床断熱では床下エアコンは成立しない理由

床断熱の場合、

・床下は外気扱い
・基礎に換気口がある
・外の冷気が常に入る

この状態で床下エアコンを動かすと、

暖めた空気が外へ逃げ続けることになります。

これは例えるなら、

窓を開けたまま暖房しているのと同じ状態です。

結果として、

・暖房効率が著しく低下する
・電気代が増える
・十分な暖房効果が得られない

断熱等級6の性能を活かすことができません。


基礎断熱なら、床下が「暖房空間」になる

基礎断熱では、

・基礎の立ち上がり
・基礎の底盤

に断熱材を施工します。

これにより床下は外気の影響を受けず、完全に室内空間として機能します。

床下エアコンで暖められた空気は、

・床を通じて各部屋へ伝わり
・壁や空気を通じて家全体へ広がり

少ないエネルギーで家全体を暖めることができます。

これは断熱等級6のような高性能住宅だからこそ成立する暖房方式です。


断熱等級6の住宅は「熱が逃げない」から成立する

断熱等級6の住宅は、

・外皮平均熱貫流率(UA値)が非常に低い
・気密性能(C値)も高い

ため、一度暖めた熱が外へ逃げにくい構造になっています。

このため、

床下エアコン1台で家全体を暖めることも可能になります。

これは従来の断熱性能では実現できなかった暖房方式です。


基礎断熱で必ず守るべき重要な設計ポイント

基礎断熱は優れた工法ですが、
正しく設計・施工することが絶対条件です。

重要なのは次の4点です。


① 高い気密性能(C値0.5以下が目安)

床下エアコンは空気の流れを利用します。

気密性能が低いと、

・暖気が漏れる
・温度ムラが発生する

ため、性能を発揮できません。


② 適切な断熱材の選定(耐久性・防蟻性)

基礎断熱では、

・押出法ポリスチレンフォーム(XPS)
・EPS(防蟻仕様)

など、長期耐久性と防蟻性能を備えた材料が必要です。


③ シロアリ対策(最重要)

基礎断熱は床断熱よりも
シロアリ対策の設計が重要になります。

例えば、

・防蟻断熱材の使用
・防蟻処理
・点検可能な構造

などが必須です。


④ 空気の流れを設計する

床下エアコンは、

空気の流れの設計そのものが暖房設計です。

・吹き出し位置
・空気の戻り経路
・床ガラリの位置

これらを計算して設計する必要があります。


基礎断熱+床下エアコンの最大のメリット

正しく設計された場合、次のメリットが得られます。

・家全体が均一な温度になる
・足元が暖かい
・ヒートショックリスクの低減
・エアコン1台で暖房可能
・光熱費の削減
・快適性の向上

特に足元温度の改善は非常に大きな効果があります。


断熱等級6+床下エアコンなら基礎断熱が合理的選択

断熱等級6の住宅で床下エアコンを採用する場合、

基礎断熱は必須条件と言えます。

ただし重要なのは、

・断熱性能(UA値)
・気密性能(C値)
・空気の流れの設計
・防蟻対策

これらすべてが揃って初めて成立します。

基礎断熱は万能ではありませんが、

断熱等級6+床下エアコンという設計思想においては、最も合理的で理にかなった工法です。


本当に重要なのは「床下エアコンまで含めて設計できるか」

単に「基礎断熱です」というだけでは意味がありません。

重要なのは、

・床下エアコンを前提に設計されているか
・空気の流れまで計算されているか
・気密測定が実施されているか

です。

断熱・気密・空調はすべて一体です。

これらを一体で設計することで、
はじめて本当に快適で省エネな住まいが実現します。

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