冬の乾燥対策やインフルエンザ予防として、
「湿度は50%以上がいい」「加湿が大事」という話をよく聞くようになりました。

実際、適切な加湿は
・喉や肌の乾燥防止
・ウイルスの不活性化
・体の防御機能の維持
といった面で、とても効果的です。
ただし──
加湿は“やればやるほど良い”わけではありません。
今回は、あまり語られない
「加湿しすぎの落とし穴」について整理してみます。
一般的に、冬の室内湿度は
35%未満:乾燥しすぎ
40〜60%:快適・健康的
70%以上:要注意
と言われています。
湿度が70%を超え始めると、
空気中の水分が「余り始める」状態になります。
その余った水分は、
冷たい場所にくっついて水になります。

これが、結露の正体です。
多くの方がイメージする結露は、
窓ガラスがびしょびしょ
サッシに水滴がつく
といった、目に見える結露です。

しかし、本当に怖いのは
壁の中や天井裏で起きる「内部結露」。
壁の中で断熱材が湿る
木材が常に湿った状態になる
カビや腐朽菌が繁殖する
これが進行すると、
家の寿命そのものを縮めてしまいます。
最近の住宅は、
断熱性能が高い
気密性が高い
すき間が少ない
という特徴があります。
これは本来、とても良いことです。
しかしその反面、
👉 湿気が逃げにくい
という側面もあります。

昔のすき間だらけの家なら、
加湿しても自然に外へ逃げていました。
今の家で同じ感覚で加湿すると、
あっという間に湿度が上がりすぎることがあります。
カビというと、
梅雨や夏のイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、
冬に結露で湿らせる
春までそのまま
気温が上がった瞬間に一気に繁殖
というケースがとても多いです。

特に注意したい場所は、
押し入れ・クローゼット
家具の裏
北側の部屋
窓まわり・サッシ下
「冬なのに、なんだかカビ臭い」
それは、加湿しすぎのサインかもしれません。
加湿で一番やってはいけないのは、
感覚だけで加湿することです。
喉が乾くから
肌がつっぱるから
なんとなく不安だから
この感覚自体は大切ですが、
判断基準は必ず「湿度計」に置きましょう。

おすすめの目安は、
50〜60%:OK
65%:少し注意
70%以上:加湿しすぎ
特に夜間は、
寝ている間に湿度が上がりやすいので要注意です。
大切なのは、
「最大加湿」ではなく「安定加湿」です。
加湿器は弱〜中運転
湿度を見ながらON/OFF
換気は止めない
結露が出たらすぐ調整
これだけでも、
トラブルの多くは防げます。
「せっかく加湿したのに、換気で逃げるから止めたい」
そう思う方もいますが、これは逆です。
換気を止めると、
湿気がこもる
汚れた空気が滞留する
カビ・ダニの温床になる
加湿は
「換気を前提に、補うもの」。

ここを間違えると、
健康のための加湿が、家を傷める原因になります。
加湿は大切。でも、やりすぎは危険
湿度70%以上は結露・カビのリスク
高断熱住宅ほど要注意
湿度計で管理し、50〜60%を目安に
換気とセットで考える
乾燥もつらいですが、
湿気を溜め込みすぎる家も、決して健康的ではありません。
「ちょっと足りないかな?」
くらいが、実は一番ちょうどいい。
ぜひこの冬は、
加湿を“やりすぎない賢さ”も意識して、
快適で安心な住まいをつくっていきましょう。