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  3. GX ZEHとは?これからの省エネ住宅の新しい基準

近年、住宅分野でも「脱炭素化」や
「省エネ性能の強化」が大きなテーマと
なっています。

政府は2050年までに住宅の平均で
ZEH水準を確保する目標を掲げ、
2030年には新築住宅でZEH基準が
義務化される方針を示しました。
経済産業省の発表資料

その流れを受け、2027年4月から
新しい定義「GX ZEH」「GX ZEH-M」が
導入されることになりました。


GX ZEHの基本的な考え方

GX ZEHシリーズとは、
「外皮(断熱性能)を高め、
高効率な設備を導入し、
再生可能エネルギーを利用することで、
年間の一次エネルギー消費量を
ゼロにすることを目指す住宅」のことです。

従来のZEHと同様に
「断熱」「省エネ」「創エネ」の
3つを柱としながら、
より高度な性能や自家消費の拡大を
重視しているのが特徴です。


GX ZEHの種類

戸建住宅の場合、次の4つに分類されます。

  • GX ZEH+:高断熱・高効率設備+再エネで、年間のエネルギー収支がマイナス(つまりエネルギーを創り出す家)。

  • GX ZEH:エネルギー収支がゼロまたはマイナスになる住宅。

  • Nearly GX ZEH:ゼロに近づける水準まで性能を高めた住宅。

  • GX ZEH Oriented:都市部の狭小地や多雪地域など、条件制約のある場所向けの高性能住宅。

これらはすべて断熱等級6を満たすことが必須条件です。

さらに、GX ZEH以上では「定置型蓄電池」や
「エネルギーマネジメントシステム(HEMS)」
の導入も求められます。

これにより、再エネの自家消費率を高め、
停電時のレジリエンスも確保できます。


GX ZEH-M(集合住宅)の新定義

マンションや集合住宅向けには
「GX ZEH-M」が定義されました。

基本的な考え方は戸建と同じですが、
住棟全体と各住戸の両方で
性能評価を行う点が特徴です。

GX ZEH-Mも「GX ZEH-M+」「GX ZEH-M」
「Nearly GX ZEH-M」「GX ZEH-M Ready」
「GX ZEH-M Oriented」と段階が分かれており、
共用部を含めて一次エネルギー消費量を
削減する必要があります。


住宅取得者にとってのメリット

GX ZEHを目指すことで、
光熱費の削減や快適な室内環境が
得られるのはもちろん、
将来的な資産価値の維持にもつながります。

また、国や自治体の補助金対象になる
可能性が高く、EV充電設備や蓄電池など
次世代インフラへの備えにもなります。

さらに、自家消費型のエネルギー利用を
前提としているため、
再エネを「売る」よりも
「自分で使う」流れが主流になります。

これにより電気代上昇への備えや
エネルギー自立性の確保にも役立ちます。


今後は

2027年から始まるGX ZEH・GX ZEH-Mは、
単なる「エネルギー収支ゼロ」を超えて、
快適性・経済性・レジリエンスを
兼ね備えた次世代住宅の基準です。

これから家を建てる人にとって、
GX ZEHは避けて通れないキーワードとなるでしょう。

省エネ基準が段階的に強化されるなか、
住宅選びや設計の際には
「GX ZEH対応かどうか」を確認することが、
未来の安心・快適な暮らしを実現する第一歩となります。

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