家づくりを考えるとき、「どの性能を優先すべきか」が
分からず迷う方も多いのではないでしょうか。

実は、高気密高断熱は必須の性能ですが、
それだけに偏ると長期的な快適性や
耐久性が不足してしまいます。
耐震・断熱・日射・メンテナンスまで、
総合的にバランスを取ることが大切です。
下の表は、家づくりで優先すべき要素を重要度順に並べたものです。
優先度のイメージ(上から順に重要度が高い)
① 耐震性能 ★★★★★
② 断熱性能 ★★★★☆
③ 気密性能 ★★★★☆
④ 換気・空調 ★★★★☆
⑤ 日射コントロール ★★★☆☆
⑥ メンテナンス性 ★★★☆☆

👉 最優先は命を守る耐震性能。次に高気密高断熱で快適さを確保し、その上で換気や日射、メンテナンスまで整えていくことが理想です。
住宅の性能は、UA値(断熱性能)とC値(気密性能)で数値化されます。
| 項目 | 国の省エネ基準 | ZEH基準 | HEAT20 G2 | 理想的な暮らしの目安 |
|---|---|---|---|---|
| UA値(断熱) | 約0.87 | 約0.6 | 約0.46 | 0.46以下 |
| C値(気密) | 不問 | 1.0以下(目安) | 0.7以下 | 0.5以下 |
👉 UA値0.46以下、C値0.5前後を目標にすると、50年後も「古い性能」とはならず安心です。
家の性能は一つの要素だけでは成り立ちません。

👉 「高気密高断熱=必須」ですが、それだけに偏ると“夏ムシムシ、冬乾燥”のような不快感が残ることも。換気・日射設計・耐震性とセットで考えることが重要です。
外壁は家の印象を決めるだけでなく、
メンテナンス周期や費用にも大きく関わります。
| 項目 | 窯業系サイディング | ガルバリウム鋼板 |
|---|---|---|
| 耐久性 | 15〜20年で塗装や張替えが必要 | 20〜30年で再塗装、錆対策が必要 |
| メンテナンス周期 | 約15〜20年ごと | 約20〜25年ごと |
| 初期費用 | 比較的安価(㎡あたり4,000〜7,000円) | 中程度(㎡あたり6,000〜9,000円) |
| デザイン性 | タイル調・石目調など多彩 | シンプル・シャープな外観 |
| 重量 | 重め(耐震に不利になる場合も) | 軽量(耐震に有利) |
| 断熱性 | 素材自体は低いが外壁下地で調整 | 同様に下地次第で調整 |
👉 サイディングはコスト重視、ガルバは軽量で耐震に有利。 ライフサイクルコストまで含めて選ぶのがポイントです。
高気密高断熱の住宅ほど、
「窓と太陽の関係」が暮らしやすさを左右します。

南面窓に庇60cm以上 → 夏は日差しを遮り、冬は光を取り込む
東西窓 → Low-Eガラスや外付けブラインドで日射を制御
窓配置 → 南面中心、北面最小にすると冷暖房効率が高まる
👉 断熱材だけでは補えない「自然エネルギーとの付き合い方」が大切です。
| 部位 | 標準的な交換周期 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 外壁(サイディング) | 15〜20年ごと | 100〜200万円/回 |
| 外壁(ガルバ鋼板) | 20〜25年ごと | 80〜150万円/回 |
| 屋根(スレート) | 20〜30年 | 80〜150万円 |
| サッシ・窓まわり | 30〜40年 | 100万円〜 |
| 設備(給湯器など) | 10〜15年 | 20〜40万円 |

👉 外壁材の選び方ひとつで、将来のランニングコストが大きく変わります。
耐震等級3は必須(命を守る性能)
断熱はHEAT20 G2(UA値0.46程度)、気密はC値0.7以下
高気密高断熱=必須。ただし、それだけに偏らず、換気・日射・メンテナンス性まで含めて考えることが大切
外壁はサイディング=安価だがメンテ多め、ガルバ=軽量で耐震に有利
50年後を見据えて、メンテナンス費用まで含めた総合判断が必要
📌 住まいづくりとは
家づくりでは「性能数値」だけに
目を奪われがちですが、
高気密高断熱を土台にしながら、
耐震・日射・外壁・メンテナンスまで
トータルで考えることが、
長く安心して暮らせる家につながります。