最近のように厳しい暑さが続くと、
「涼しい家づくり」を考える方が増えてきています。

家づくりの初期では間取りや
デザインが重視されますが、
それらが固まると「暑さ・寒さ」への
対応が次のテーマになります。
特に、屋根や天井の断熱に注目が集まります。
屋根や天井の断熱には大きく2種類の方法があります。
屋根断熱:屋根の形に沿って断熱層を設ける方法。小屋裏まで断熱空間に含まれます。
天井断熱:居住空間の真上、水平な天井面に断熱層を設ける方法。小屋裏は外気に近い状態になります。
見た目では分かりませんが、この2つは
コストや性能、メンテナンス性などで大きく異なります。

天井断熱は最も一般的な断熱方法です。
コストが安い:水平な天井面に断熱材を置くだけなので、施工が簡単で安価。
重力の影響が少ない:施工後も断熱材がずれたり落ちたりしにくい。
気密処理が難しい:間仕切りとの取り合いで気密が確保しづらく、施工の手間が増える。
照明や換気設備に影響:ダウンライトなどの埋め込み照明が設置しにくく、専用のケースが必要に。
空調ダクトが通しにくい:断熱層を貫通させたくないため、全館空調との相性はやや悪い。
屋根断熱はややコストがかかりますが、
その分得られるメリットも大きくなります。
勾配天井やロフトを設けることができ、開放感のある間取りが可能に。
小屋裏空間を活かした小屋裏冷房や空調ダクトのスペースとしても利用できます。

空調機器や換気システムのメンテナンススペースを確保しやすく、作業も簡単。
第一種換気との相性も良く、除湿効率も高いため、体感温度の改善や省エネ効果も期待できます。
私たちは現在、壁掛エアコンと 第三種換気と組み合わせで、 最少のランニングコストと 最少のメンテナンスコストで 最高のパフォーマンス(温度と湿度)が出せる 空調換気一体型モデルを推進中です。
「全館空調って本当に快適なの?」
「電気代は?」といった疑問を持つ方にも、
ぜひご覧いただきたい試みです。
最後に最も大事なことをお伝えします。
屋根断熱・天井断熱に限らず、
断熱材の厚みはしっかり確保することが
何より重要です。
例えば壁の断熱が100mmであれば、
屋根や天井にはその倍の200mmを
確保するイメージで。
※弊社の屋根断熱は300mmが標準です。
これは夏だけでなく冬にも効果的で、
一年を通して快適な住環境をつくる
土台となります。
見えない場所にこそ、お金と知恵を
かけるのが本当に快適な家づくりです。

これから家を建てる方は、屋根・天井の
断熱の選択を慎重に検討してみてください。
未来の光熱費・快適性・健康への投資になるはずです。