今回は住宅設備について、
「後からお金がかかるかどうか?」
という視点で解説していきます。

「設備」と聞くとエアコンやキッチンなどを
イメージされるかもしれませんが、
実はもっと広い意味で使われています。
住宅における「設備」は、
以下のような動くものすべてを含みます。
エアコン・換気扇
トイレ・洗面・キッチンの水栓
窓・ドア・引き戸
給湯器・照明器具
カーテンレールや薪ストーブ、インターホンなど
そして、これら設備は「動く」からこそ、
摩耗して壊れる=消耗品でもあります。
つまり、後から修理費や交換費が
かかる可能性がある、というわけです。
設備選びのときに、建築会社から
こんな言葉を聞いたことはありませんか?
「うちのオリジナルです」
「これは弊社だけの製品です」
「他社では扱っていません」
これらはすべて、
「あとでお金がかかる」設備のサイン。

なぜかというと、
他社でメンテナンスや交換ができない=その会社に頼るしかない=費用が高くなりがちだからです。
将来的にその会社がなくなっていたら、
そもそも対応できない…なんてことも。
HMの人気の「天井まである大きな窓(例:高さ2.7m)」。

見た目は素敵ですが、
一般流通している窓(約2.4m以下)
に比べて高額で、メンテナンスも特殊。
他社で修理できず、
元のメーカーに依頼するしかありません。
将来、ガラス交換や部品修理が
必要になった時、大きなコストになる
可能性が高いのです。
「当社オリジナルの全館空調システム」は、よくある設備の一つ。
快適性は高いものの、
20〜30年後に故障した際、
修理可能な部品が入手できるとは
限りません。
その会社が存続していなければ、
代替手段すらなくなる恐れも。
※導入時は、図面や仕様を必ず残しておくことが大切です。
壁出しタイプの水栓はオシャレで
人気ですが、交換時に壁内部の
配管工事が必要なため、費用が高くつきます。

一方、ホームセンターでも販売されている
「カウンター上取付型」の水栓は、
自分で交換できる可能性があり、
生涯コストを抑えられます。
おしゃれな一体型シャワー水栓(天井から水が出るタイプなど)は、見た目は良くてもメンテが大変。
対して、一般的なハンドシャワー型なら、
ホームセンターや通販でも簡単に
交換部品が手に入ります。

トイレも「タンク・便座・便器」が
別売りのタイプを選べば、
壊れたパーツだけ交換できるので経済的です。
建材メーカーの
「既製品の建具(ドア・引き戸)」には、
専用の部品しか合わないことが多く、
部品代・工賃ともに割高。

一方、大工さんの造作建具や
汎用品を使えば、戸車や鍵などの
部品がホームセンターで手に入ることが多く、
自分で修理できるケースも。
では、どうすればいいのか?
結論はシンプルです。
🔑 ホームセンターや量販店で買えるものを使えば、あとでお金がかからない!

ホームセンターにあるということは、
「一般的で、普及していて、
交換しやすい」という証拠。
どの工務店でも対応可能です。
一方、独自規格・限定製品・新しい設備は
かっこよくても、
交換部品の入手が難しい=コストが高くなりやすいのです。
もちろん、すべてを安価な一般品にしなさいという話ではありません。
見た目にこだわる場所や、
使い勝手が大事な場所は、
ある程度の「こだわり設備」を
選ぶのも素敵なことです。
ただし、
あとからお金がかかる部分を
「知らずに」選ばないことが大事なのです。
設備選びは、「かっこいい」だけではなく、
「あとでいくらかかるか?」という視点も忘れずに!