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  3. 無垢材と複合フローリング、耐久性が高いのはどっち?プロが本音で解説します!

家づくりやリノベーションで多くの方が
悩むのが「フローリングの種類」。

その中でも「無垢材と市販のフローリング
(複合やカラーフロア)」、
どちらの耐久性が高いのかは、
非常によくあるご質問です。

今回は、現場経験を交えながら、
それぞれの特徴と耐用年数について解説します。


フローリングは大きく3種類

まず「フローリング」とひと口に言っても、
大きく分けて以下の3種類があります。

  1. カラーフロア(樹脂シート系)

  2. 複合フローリング(合板+突き板・挽き板)

  3. 無垢フローリング(天然木そのまま)

なお、営業の方が「これは無垢材で、
こっちはフローリングです」と話すことがありますが、
実はこの言い方、少し誤解を招きます。

「フローリング」は英語で「床材全般」
を指す言葉。

つまり無垢材もフローリングに含まれます。


カラーフロアの耐久性と特徴

耐用年数:約10〜15年

一番手頃で多く採用されているのが、
表面に木目調のプリントシートを
貼った「カラーフロア」です。

特徴:

  • 基材:MDF(中密度繊維板)や合板

  • 表面:樹脂系のプリントシート+コート仕上げ

  • メリット:価格が安い、デザイン豊富、表面硬度が高く凹みにくい

  • デメリット:紫外線による劣化に弱い、修復不可、経年劣化が早い

見た目は本物の木のように美しく、
コーティングもされているので
最初の数年はメンテナンスもほとんど不要です。

ただし、表面は石油系樹脂のため、
紫外線に弱く、10年ほどでヒビ割れや
剥がれが目立ってきます。


複合フローリングの耐久性と特徴

耐用年数:約10〜20年(グレードによる)

合板の上に薄い天然木(突き板・挽き板)を貼った
タイプで、いわば「ハイブリッド型フローリング」です。

特徴:

  • 基材:積層合板

  • 表面:本物の木(突き板:約0.3〜1mm、挽き板:約2〜6mm)

  • メリット:反りにくく安定性がある、無垢の風合いに近い、高級感

  • デメリット:厚みによっては再研磨不可、補修が難しい

表面の木材の厚みが分厚い(挽き板タイプ)ほど
高価になりますが、昔の体育館のように研磨して
再塗装できるものもあります。

ただし、日焼けや摩耗には注意が必要です。


無垢フローリングの耐久性と特徴

耐用年数:30年以上(手入れ次第で50年超)

無垢材は、一本の木をそのままフローリング材に
加工した「天然木そのもの」の床材です。

樹種で特性が異なる:

  • 針葉樹(スギ・ヒノキ・パインなど)

    • 柔らかく軽い、あたたかみがある、価格は安い

  • 広葉樹(ナラ・チーク・カバなど)

    • 硬くて重厚感があり、耐久性が高い、価格は高め

特徴:

  • メリット:手触り・足触りが心地よく、経年変化が楽しめる

  • デメリット:反り・割れ・収縮などが起きやすく、手入れが必要

無垢材は“「経年劣化」ではなく「経年美化」”。

使い込むほどに味わいが深まり、
オイルやワックスで定期的に手入れ
することで、光沢も増していきます。

お寺や神社の黒光りした床を思い浮かべてみてください。


無垢材に向いている人・向いていない人

無垢材の床は、美観や肌ざわりを
重視する人には最適です。

一方で、メンテナンスが苦手な方や、
多少の傷や反りも許容できない方には向いていません。

無垢材は、人の顔のようなもの。年月と共にシワやシミができても、それが味わいとなり、美しさになります。


トータルでお得なのは無垢材かもしれない

20年ほどで交換が必要な複合フローリングに対して、
無垢材はきちんと手入れをすれば30年〜50年と長く使えます。

価格だけを見ると無垢は高く
感じるかもしれませんが、
長期的な視点では、むしろ経済的

40年・50年と暮らす家だからこそ、
こうした床材の選び方が大切だと思います。


まとめ表

種類耐用年数特徴メンテナンス備考
カラーフロア10〜15年表面は印刷シート、紫外線に弱いほぼ不要(短命)安価、リフォーム向き
複合フローリング10〜20年合板+天然木(突き板・挽き板)種類により対応中価格帯、補修制限あり
無垢フローリング30年以上天然木そのまま、経年美化が魅力定期的な手入れが必要高価、長寿命で価値が続く

あなたのライフスタイルや価値観に合った
フローリング選びの参考になれば幸いです。

迷ったら、「10年後・20年後の姿」まで
思い浮かべてみてください。

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