最近、家づくりのご相談を受ける中で
「理想を言うと平屋がいいです」
という声をよく耳にします。
今回は、平屋人気の背景、メリット・デメリット、
そして平屋を建てる際に考えておきたい
重要ポイントについて解説します。
国土交通省の住宅着工統計によると、
2010年の全国平均で平屋の割合は
約6.2%でしたが、2020年には11.2%と
約2倍に増加しました。
平屋は今やブームと言ってもいいほど、
注目される住宅スタイルとなっています。
平屋はワンフロアで生活が完結するため、
開放的な間取りが実現しやすく、
佇まいもすっきりとして美しく、
「和」の趣を感じさせます。
近年では広さを求めず、
コンパクトさを大切にする価値観が広がり、
単身者や夫婦2人暮らしに特に人気です。
シニア層にとって、段差のない設計は
安心で負担が少なく、家事動線も
コンパクトで効率的です。
リビングを中心に間取りを組めば、
自然と家族が集まりやすくなります。
重心が低く、地震などの揺れにも強く、
丈夫な家を作りやすいというメリットがあります。
すぐ庭に出られるなど、
外との一体感も平屋の魅力の一つです。
ワンフロアに全ての空間を配置するため、
土地面積の確保が必要です。
屋根や基礎の面積が大きくなるため、
建物単価は2階建てに比べて割高です。
敷地いっぱいに建ててしまうと、
暗く風通しの悪い家になるリスクがあります。
1階のみなので外部からの視線や
侵入リスクが増えます。
万一の浸水時に逃げ場がないことも
考慮が必要です。
単身・夫婦・子育て・二世帯など、
家族の変化を見越して部屋数・配置を検討しましょう。
リモートワークに必要な個室や音の対策も忘れずに。
生活動線は家事のしやすさを左右します。
トイレはワンフロアでも2つ設けることを
検討してもよいでしょう。
天窓の活用、防犯性を高める設計、
敷地の余白の確保などが重要です。
建ぺい率、日当たり、風通し、
ハザードマップの確認は特に重要です。
家の性能を落としてコストを抑えることは
おすすめできません。
地震に強く、冬暖かく夏涼しい高性能住宅こそ
「資産」であり、住み継がれる家になります。
性能を削らず、誰にとっても使いやすい
「汎用性の高い家」を意識することが、
将来の資産価値を守るポイントです。
平屋には魅力がたくさんありますが、
デメリットやリスクも存在します。
未来を見据えた設計・土地選び・
性能確保を行い、必要なら専門家と
相談しながら計画を進めましょう。
「一代限りの家」ではなく、
次世代に受け継げる家づくりを
目指すことが、これからの家づくりの
スタンダードになるはずです。
ぜひ参考にしてください。