家づくりを考える際に、暖房の種類として
「壁掛けエアコン」と「床下エアコン」の
どちらが優れているのか、
という質問をよくいただきます。
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今回は、それぞれの特性やメリット・デメリットを
比較しながら、どのような環境に適しているのかを解説します。
壁掛けエアコンの特性とメリット・デメリット
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メリット
- 素早く部屋を暖める
- 部屋ごとの温度調整が可能
- 例えば、リビングは19℃、寝室は23℃といった設定ができる。
- 吹き抜けがない場合、各部屋で均等に暖房しやすい
- 部屋ごとにエアコンを設置することで温度ムラが少ない。
デメリット
- 暖房が届かないエリアができやすい
- 廊下や脱衣所などエアコンのない空間は寒くなりやすい。
- 家全体で考えると運用コストが高い
- 各部屋ごとにエアコンが必要になり、電気代がかかる。
- 気流感や乾燥を不快に感じる人がいる
- エアコンの風が直接当たることを嫌う人も多く、乾燥対策として加湿器が必須になる。
- 加湿器の管理が必要
- 各部屋に加湿器が必要になり、毎日の水補充や掃除の手間が増える。
床下エアコンの特性とメリット・デメリット
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メリット
- 家全体を均一に暖める
- 1台のエアコンで1階全体を暖房でき、温度のムラが少ない。
- 頭寒足熱で快適な暖房
- トイレや脱衣所などの水回りも暖かい
- 加湿器の台数を減らせる
- 大型の加湿器を1台置けば済むことが多く、管理の手間が少ない。
デメリット
- 基礎設計の工夫が必要
- 床下の空気を循環させるために、間仕切りの処理や設計に工夫が必要。
- 吹き抜けがない場合、2階への熱供給が限定的
- 吹き抜けがないと、1階で暖めた空気を2階に届けにくい場合がある。
- 初期コストがやや高い
どちらが適しているのか?
最終的には、家の設計や
ライフスタイルによって選択が変わります。
壁掛けエアコンが向いている人
- 各部屋の温度を細かく調整したい。
- 吹き抜けがない間取り。
- 初期コストを抑えたい。
- すでに壁掛けエアコンを導入しており、追加設備なしで済ませたい。
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床下エアコンが向いている人
- 家全体の温度差をなくしたい。
- 吹き抜けがある設計。(※吹き抜けが無い場合も対処方法あり)
- 水回りの寒さ対策を重視したい。
- 加湿器の管理を減らしたい。
特に**「温度のムラが少ない」という点では床下エアコンが優れています。**
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また、設計によっては壁掛けエアコンでも
全体を暖めることが可能です。例えば、
- 床の断熱性を強化する
- 吹き抜けを活用して暖気を全体に回す
- 広めの空間に大容量のエアコンを導入する
など、工夫次第でデメリットを
軽減することができます。
それぞれの特徴あり
「壁掛けエアコン」と「床下エアコン」には
それぞれ特徴があり、一概にどちらが優れているとは言えません。
- 短時間で特定の部屋を暖めるなら壁掛けエアコン
- 家全体をムラなく暖めたいなら床下エアコン
設計の工夫次第でどちらの方式でも
快適な住環境を作ることができます。
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自分の生活スタイルや家の構造に合わせて、
最適な暖房方法を選んでください!