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  3. 住まいづくりのしあわせメソッド【その2】

※前回に引き続き、人生初のマイホームづくりを
考え始めるみなさんに向けて、
「家づくり迷子」にならないように、
脇道にそれて遠回りしないように、
私が考える正しい住まいづくりの進め方を
「住まいづくりのしあわせメソッド」として
3回にわたって掲載します。

今回はその第2回です。

この記事内容は、
弊社地元のフリーペーパーの
令和7年2月号に掲載する予定ですが、
メルマガ読者のために先取りして
ここにアップします!

住まいの断熱性能

今回の「住まいづくりのしあわせメソッド」は、
住宅の断熱性能についてのお話です。

断熱性能が私たちの健康や生活、
環境に与える影響を一緒に考えてみましょう。

日本の住宅と断熱性能

日本の住宅は、他国と比べて
断熱性能が低いと言われています。

その結果、私たちの暮らしに大きな
影響を与えている問題があります。

その一つがヒートショックです。

ヒートショックとは?

ヒートショックとは、家庭内で起こる
とても悲しいそして悲惨な事故です。

暖房で暖かく保たれたリビングから、
無暖房の寒い浴室やトイレに移動する際、
急激な温度変化が体に負担をかけ、
血圧や心拍数の急激な変動を
引き起こす現象です。

この現象は特に高齢者に多く見られ、
心筋梗塞や脳卒中といった命に
関わる事態に繋がることもあります。

厚生労働省のデータによれば、
ヒートショックが原因で浴室内で
亡くなる方は毎年1万人以上。

これは2022年の交通事故死者数(3,541人)を
大きく上回っています。

特に冬場の寒冷地で被害が顕著ですが、
日本全国で発生している問題です。

夏場の熱中症も深刻

断熱性能が低い住宅は、
冬だけでなく夏にも問題を引き起こします。

室内温度が外気温の影響を
受けやすくなり、夏場には室温が急激に上昇。

エアコンを使用しても冷気が逃げやすく、
快適な室温を維持しにくい状況になります。

特に高齢者の中には、電気代を気にして
エアコンの使用を控える方も多く、
その結果、室温が危険なレベルに
達することもあります。

総務省消防庁のデータによれば、
毎年数万人が熱中症で救急搬送され、
その約40%が室内での発症です。

断熱性能向上がもたらすメリット

断熱性能を向上させることには、
多くのメリットがあります。

  • 健康リスクの低減:ヒートショックや熱中症のリスクを軽減。
  • エネルギー消費の削減:冷暖房効率が向上し、家計負担も軽減。
  • 環境への貢献:温室効果ガスの排出量を削減し、地球温暖化抑制に貢献。

断熱性能の基準を考える

では、どの程度の断熱性能が必要なのでしょうか。

2025年4月から新築住宅には
断熱等級4(UA値0.87W/㎡·K)が義務付けられますが、
これで十分でしょうか?

以下は、世界の基準との比較です。

国・地域基準値 (UA値)
日本 (断熱等級4)0.87
日本 (ZEH基準)0.6
韓国0.54
スペイン0.51
米国カリフォルニア州0.42
イタリア0.40
ドイツ0.36
イギリス0.32

日本の基準は、先進国の中で最も性能が低いことが分かります。
※数値が小さいほど断熱性能が高いことを表します

断熱等級6のすすめ

私がおすすめする断熱性能の基準は
断熱等級6(UA値0.46W/㎡·K以下)です。

この基準を満たすことで、
次のような効果が得られます。

  • 電気代が約55%削減(断熱等級4との比較)。
  • エアコン1台で全館冷暖房が可能になりヒートショックや熱中症の発生を防止。
  • 快適な住環境を維持し、家族の健康を守る。

住まいの予算配分を考える

もちろん、高い断熱性能を実現
するには費用がかかります。

しかし、予算をどこに配分するかを
考えることが大切です。

例えば、

  • 断熱等級4の住まい(坪60万円)を40坪建てる:総額2,400万円。
  • 断熱等級6の住まい(坪80万円)を30坪建てる:総額2,400万円。

同じ予算で、断熱性能の高いコンパクトな
住まいを選ぶことで、
健康と快適さを両立できます。

住まいの大きさ(広さ)を検討することも、
住まいづくりの重要なポイントです。

断熱性能の向上

断熱性能を向上させることは、
家族の健康を守り、快適な暮らしを
実現するための重要なポイントです。

また、長期的にはエネルギーコストの
削減や環境への配慮にもつながります。

「住まいづくりの予算を何に掛けるか」を
改めて考え、断熱性能を重視した
選択をすることで、家族の幸せの実現に
近づくことを感じて頂ければと思います。

次回の「住まいづくりのしあわせメソッド」をお楽しみに!

 

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