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  3. 高気密住宅は危険?

「高気密住宅って、なんだか息苦しそう…」

そう感じている方はいませんか?

 

確かに、昔ながらの日本の家は風通しが良く、

自然の風を感じながら暮らせるのが魅力でした。

しかし、現代の日本の気候やライフスタイルを考えると、

高気密住宅に多くのメリットがあるんです。

 

今回は、高気密住宅に対する疑問や不安を解消していきます!

 

昔の家と今の家は違う!

昔ながらの家と現代の高気密住宅では、

気候や環境が大きく異なります。

 

昔は、夜になると涼しい風が吹き、

窓を開けて涼をとることができました。

しかし、現代では都市化の影響で

ヒートアイランド現象が進んだり、

地球温暖化による気温の上昇などにより、

夜の気温が下がりにくくなっています。

 

また、騒音や防犯の問題もあり、

窓を開けっ放しで過ごすのは難しいのが現実です。

 

高気密住宅=息苦しい家 ではない!

高気密住宅とは、文字通り気密性が高い家のこと。

 

隙間が少ないので、外気の影響を受けにくく、

室温を一定に保ちやすいというメリットがあります。

 

「ビニール袋に包まれたようで息苦しそう…」

そんなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ご安心ください!

 

高気密住宅は、計画的な換気システムを導入することで、

新鮮な空気を取り込みながら、快適な室内環境を実現できます。

 

高気密住宅と結露の関係は?

「高気密にすると湿気がこもって結露しやすくなるのでは?」

という疑問を持つ方もいるかもしれません。

 

しかし、結露の原因は気密性ではなく、

断熱性の低さや換気不足にあります。

 

高気密住宅はある一定基準まで

断熱性能を高めることで、

結露のリスクをほとんど無くすことができます。

 

ナミダダケ事件は高気密住宅が原因?

一時期話題になった北海道で起きた「ナミダダケ事件」。

 

これは、高気密住宅が原因で

壁にキノコが生えてしまったという事件ではありません。

 

まだ気密性能を高める技術が無い中で、

断熱材を過剰に詰め込んだ結果、

湿気がこもり、キノコ(腐朽菌)が発生しやすい

環境を作ってしまったことが原因です。

 

具体的にはこうです。

1973年の秋、オイルショックにより石油価格が高騰しました。

そのため、住宅の暖房費を抑える『高断熱化』を図り、

これまで以上に多くの断熱材を壁の中に押し込みました。

 

暖房で暖められた湿気を含んだ空気は、

壁や床下に詰め込まれたグラスウールの中に侵入し、

侵入した空気はその後冷やされ、結露水となりました。

 

水と木と空気があれば腐朽菌は繁殖してしまいます。

 

そのため、壁や床の木材が常に湿った状態に保たれてしまい、

「ナミダタケ」という腐朽菌が大量に繁殖してしまいました。

 

「ナミダタケ」がキノコのように大きく

増殖して木材を腐らせた結果、

床が抜け落ちる被害が相次いだのです。

出典:日本住環境株式会社

 

この事件は、気密性能が低いからこそ発生した事件です。

この事件は、断熱材に湿った空気を入れないこと、
つまり気密性がとても重要だと言うことが分かるきっかけとなりました。

 

欧米の国々では気密性能の基準が定められています。

 

我が国では、平成11年基準という

かなり緩い省エネ基準がありましたが、

この緩い基準ですら、

その後の省エネ基準の改正により

不思議なことになくなってしまいました。

 

気密性能について公的な基準がないうえに、

その確保にはある程度のノウハウや

手間暇がかかることから、

十分な気密性能を有している住宅会社は限られます。

 

「大丈夫だろう…」と気軽にハウスメーカーや工務店を選んでしまうと、

充分に気密性能が確保されていない可能性が極めて高いです。

 

出来上がった住宅が「隙間だらけで夏暑く冬寒い、

冷暖房光熱費が無駄にかかってしまう家」であっても、

住宅性能に必要な気密性能が公的に定められていないのですから、

クレームをつけることもできません。

 

高気密住宅を正しく理解し適切な施工を行い、

すべての建物で気密測定を2回(工事途中と完成時)行い、

結露リスクを最小限にするノウハウを持った

堅実な住宅会社を探すことが一番の課題です!

 

時代は「高断熱・高気密」へ

日本の住宅は、かつて「スクラップアンドビルド」が主流でした。

しかし、環境問題や経済的な事情から、

現在は長く住み続けられる家が求められています。

 

高断熱・高気密住宅は、光熱費を抑え、

快適な室内環境を実現することで、

長く安心して健康に暮らせる家と言えるでしょう。

 

高気密住宅とは

高気密住宅は、

  • 快適な室温を保ちやすい

  • 光熱費を抑えられる

  • 結露やカビの発生リスクを低減できる

など、多くのメリットがあります。

ただし、正しい知識を持った上で、

適切な施工を行う住宅会社を探すことが大切です。

 

家づくりを検討する際は、

ぜひ一度、高気密住宅について考えてみてくださいね!

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