近年、「耐震等級3で家を建てたい」という方が増えています。
そこで私が構造塾で佐藤先生から
教えて頂いている「構造計画ルール」を
まとめてみました。

これは、単に構造計算をして等級3を
取れば安心というものではありません。
実は、間取りの段階から構造を考えなければ、
無理のあるプランになってしまうケースが多いのです。
上下の柱がズレていたり、
複雑な基礎が必要になったりすると、
構造的には成立しても
大きなコストアップにつながります。
そこで重要になるのが「構造計画ルール」です。
このルールは、間取りをつくる初期段階から
構造の安定とコストのバランスをとるための設計指針です。
難しい専門理論ではなく、
実際の設計現場で役立つルールです。
その中でも特に大切なのが「構造区画」。
建物の四隅に柱を立て、
梁と土台でしっかりとフレームを組む。
これをベースに1階・2階を積み上げることで、
構造の整理と安定が得られます。
このフレームができた上で、
他の5つのルールを適用することで、
無理のない耐震等級3+コストダウンが
同時に実現できるのです。
多くの会社では構造担当と設計担当が別で、
複雑なルールを理解しきれずに
「後で構造チェックで修正」という流れになりがちです。

その結果、何度も打ち合わせを
やり直す手間が発生し、
施主も不満を感じます。
さらに、途中で構造計画に挫折してしまう
会社も少なくありません。
「構造を考えると間取りやデザインが制限される」と否定してしまうのです。
しかし実際には、構造を理解して設計を工夫すれば、
より美しく合理的なデザインが可能になります。
家を建てるときは、次の3つのキーワードを必ず確認してください。
耐震等級3を採用しているか
許容応力度計算で構造を確認しているか
構造計画ルールに則った間取りをつくっているか
この3つが揃えば、構造的に美しく、
コストも安定した家づくりができます。

そして、施主自身も構造区画の考え方を
理解すれば、「良い間取り」と「危ない間取り」を
見分ける力が身につきます。
「耐震等級3+許容応力度計算+構造計画ルール」
この3つをしっかり実践する会社こそ、
本当に安心できる家づくりのパートナーです。
構造計画ルールは、単なる設計マニュアルではなく、
「無理のない耐震等級3を実現するための、家づくりの基礎言語」です。
家を建てる人も、建てる側のプロも、
まずこのルールを理解することが、
これからの住宅の質を大きく左右します。

住まいづくりを始める方は、
プロと同等の知識は不要です。
ただ、工務店に住まいづくりを相談する時には、
構造計画ルールの知見があるかどうかを、
必ず確認してくださいね。