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  3. 「構造計算してるから安心」って本当?家づくりで知っておきたいポイント

家を建てるときに
「丈夫な家にしたいから構造計算をしてほしい」と
希望される方は多いと思います。

ところが実際に「構造計算をしています」と
言われても、その内容によって安心度は
大きく変わるのをご存じでしょうか?

ここでは構造計算の種類と注意点について解説します。


構造計算とは?家にかかる5つの力

建物は大きく分けて水平方向の力(地震・風圧)と、
鉛直方向の力(重力)を受けています。

鉛直方向にはさらに3種類があり、

  • 固定荷重(建物そのもの+太陽光パネルなど)

  • 積載荷重(家族や家具などの重さ)

  • 積雪荷重(雪の重さ)
    があります。

これら合計5つの力に対して「建物が安全かどうか」を検討するのが構造計算です。


構造計算にはランクがある

構造計算は大きく3段階に分かれます。

  1. 仕様規定(4号建物)
     建築基準法を最低限満たす簡易計算。耐震等級1相当。

  2. 性能表示計算(長期優良住宅など)
     品確法に基づく中レベルの計算。耐震等級2~3相当。

  3. 許容応力度計算(2号建物など)
     細かく厳しい基準で行う本格計算。耐震等級3を目指せる。

つまり「構造計算してます」と言われても、
どのレベルなのかで安全性は大きく異なるのです。


耐震等級3にも「中身の違い」がある

よく「耐震等級3だから安心」と思われますが、ここにも注意点があります。

  • 品確法の計算で出した等級3

  • 許容応力度計算で出した等級3

実は後者の方が1.2~1.3倍強いケースが珍しくありません。

追加費用が必要になることもありますが、
本当に地震に強い家を目指すなら、
許容応力度計算による耐震等級3をおすすめします。


忘れがちな「耐風等級」も大事

地震だけでなく、近年は台風や強風の被害も増えています。
構造計算では「耐風等級」も確認しましょう。

  • 耐風等級1 … 伊勢湾台風レベルで壊れない最低基準

  • 耐風等級2 … その後も使い続けられる強さを担保

実際には、耐震等級3でも耐風等級1の家は多いのが現状です。
強風リスクを考えると、
耐風等級2を確保することが望ましいと言えます。


安心できる家を建てるために

構造計算はすべて同じではありません。

  • 仕様規定は最低限

  • 性能表示計算は中程度

  • 許容応力度計算が最も安心

そして「耐震等級3」だけでなく
「耐風等級2」も意識することが、
これからの時代の家づくりには欠かせません。

構造の中身を正しく理解して確認することで、
家族を守る本当に安心できる住まいが実現します。

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