地震大国である日本では、
住宅の耐震性能が非常に重要です。
最新の基準や性能について理解を深め、
安心して住める家づくりを考えていきましょう。
耐震等級は、
住宅が地震にどの程度耐えられるかを示す指標で、
等級1から3までの3段階に分かれています。
耐震等級1は、地震に対する最低限の安全性を提供するもので、
構造計算によってその基準を満たすことが義務付けられています。
耐震等級1は、以下の2つの性能基準を持っています。
震度5強程度の地震に対しては、
繰り返し地震が起きても
構造部分が壊れず、住み続けることが可能です。
震度6強から7の地震が発生した際には、
倒壊や崩壊はしませんが、
構造体は損傷し、
元の耐震性能を失う可能性があります。
命を守ることはできますが、
繰り返し地震が起きると
倒壊するリスクがあります。
2024年1月に能登半島で
震度6強の地震が発生しました。
このような大きな地震が起きた際、
耐震等級1の建物は命を守る性能を持っていますが、
住み続ける性能は期待できません。
特に、繰り返し大きな地震が発生する可能性があるため、
耐震等級1の住宅は倒壊のリスクがあります。
2016年の熊本地震では、
震度7の地震が28時間後に再度発生し、
耐震等級1の建物は1回目の地震で既に損傷を受けているため、
2回目の地震でさらに大きな被害を受ける可能性がありました。
熊本地震での調査によれば、
耐震等級3の建物は震度7の地震に2回耐え、
住み続けることができたことが確認されています。
耐震等級3を選ぶことは、
住み続けることを考える上で非常に重要です。
耐震等級1は、最低限の基準を満たすものですが、
住み続けるには不十分です。
耐震等級2でも被害が出ることがあるため、
可能であれば耐震等級3を選ぶことをお勧めします。
このように壁倍率の最大値が異なるため、
同じ「耐震等級3」と表示されても、その強度が異なります。
基準法における必要壁量を1倍とした場合、
品確法の耐震等級3ではその2倍、
許容応力度計算の耐震等級3では2.7倍の壁量となります。
表で表すとこのようになります。
つまり、品確法の耐震等級3と
許容応力度計算の耐震等級3の強度を比較すると、
壁の強さで1.4倍の違いがあるのです。
この情報発信者は、耐震等級3の重要性を
十分に理解していない可能性があります。
耐震等級1の建物でも法律で
定められた基準はクリアしていますが、
大きな地震が発生した場合、
住み続けることが困難になる可能性があります。
特に、熊本地震のような
大規模な地震が発生した場合、
耐震等級3の建物は高い生存率を示しました。
何も言わないお客様は、
必ずしも耐震性能に興味がないわけではありません。
むしろ、建築業者を信頼し、
安全な家を建ててくれることを
期待しているのかもしれません。
お客様が耐震等級3について
言及しないからといって、
「お客様は耐震性能に興味がない」と
判断してはいけないと考えます。
それは、お客様が建築業者を
信頼しているからこそ、
あえて言及しないという可能性も考えられます。
建築業者は、お客様の信頼に応え、
最適な耐震性能の家を提供する責任があります。
お客様が何も言わなくても、
耐震等級3を標準として、
高いレベルの住宅を提供することが
建築業者の責任だと考えます。
車を例に考えてみましょう。
私たちが車を購入する際、
安全性は非常に重要な要素です。
エアバッグやABSなどの安全装置は、
多くの車が標準装備されています。
これは、お客様がわざわざ
「安全装置をつけてください」と要求しなくても、
メーカーが安全性を重視し、標準装備しているからです。
住宅も同じです。
お客様が「耐震等級3にしてください」と
必ずしも言わなくても、
建築業者は、お客様の安全を第一に考え、
高い耐震性能の家を提供すべきだというのが私の「理念」です。
住宅を建てる際には、
耐震等級3を標準として設計する
工務店を選ぶことが重要です。
耐震等級1や2で十分と説明する業者には注意が必要です。
耐震性能に対する要求性能を理解した上で、
安心して住める家づくりを進めてください。