松尾メソッド
家づくりブログ

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耐震等級3と制振装置について

制振装置の実験の様子

みなさん、「制振」ってご存知ですか。

「耐震」という言葉は浸透していますが、

「制振」の意味を理解する機会は、

まだまだ少ないかもしれません。

 

みなさんに「耐震」「制振」の意味を知って頂くために、

2年ほど前に行われた実験をご紹介します。

構造塾塾長の佐藤実先生と

制振装置メーカーの社長さんの立ち合いのもと、

耐震等級2と耐震等級3の構造物体を実際に揺らして、

耐震等級の違いを実験で確認しました。

 

その後に、耐震等級3の構造体に

制振装置がある場合と無い場合の

比較実験を行っています。

 

①耐震等級による強さの違い(等級2と3の違い)

②耐震等級3に制振装置がある場合と無い場合の違い

 

5分44秒の動画です。どうぞご覧ください。

 

耐震等級2と3の違いとその重要性

耐震等級2と3の違いについての実験結果を通じて、

耐震性の重要性を確認頂けましたか。

 

耐震等級3の建物は同じ実験でも高い耐久性を保つ一方で、

耐震等級2は壊れやすいことが明らかになりました。

この違いは、耐震等級3を標準化していないビルダーも

追加費用で大きな耐久性を得られることを示しています。

 

制振装置の役割

将来にわたって震度7の大地震が、複数回起こると想定すると、

制振装置が働くことで住まいの耐震等級3の強さが持続され、

長い期間、住まいが安全な状態で暮らすことができることが分かりました。

 

耐震等級3の普及とその課題

耐震等級3の重要性は広まりつつありますが、

普及にはまだ課題があります。

 

プロの間でも耐震等級3の必要性を
理解していない人が存在し、

一般の消費者の中には否定する方もいます。

 

これらの課題を克服するためには、

実際の実験データや、熊本地震や能登半島地震など、

地震被害を受けた現地の被害状況を通じて

耐震等級3の重要性が理解される事が必要です。

 

法規制と基準の限界

建築基準法は最低限の基準を定めていますが、

最適な基準を設定することは困難です。

 

国が耐震等級3を標準化しない理由は、

将来的な地震被害の責任を追うことになるためです。

 

したがって、最適な基準を追求するためには、

建築士や私たち工務店が

その責任を果たすべきだと思います。

 

制振装置の役割と選択肢

制振装置は、部材からシステム、

さらに構造全体を守る仕組みに進化しています。

 

速度依存型と変異依存型(一般的な制振装置)があり、

それぞれの建物に対して有効性が異なります。

 

その違いをイラストで表すとこんな感じです。

 

変位依存型(一般的な制振装置)は、

大きめな地震の揺れ(震度5程度)が

発生してから効き始めます。

 

震度3や4では効果が発揮されないので、

装飾品が倒れたり落下したりする可能性があります。

 

速度依存型は、

震度1や2の小さな揺れから効き始めるので、

フィギュアなど飾ってあるものや、

装飾品が倒れたり落下することがありません。

 

実験結果からも分かるように、

特に速度依存型の制振装置は、

建物の揺れを柔らかくする効果があり、

釘1本1本に作用する力を減らします。

 

耐震等級3の建物に速度依存型制振装置を付けることで、

建物内部での被害を軽減し、

さらに耐久性を高めることが可能です。

 

家作りの理念と制振装置の選択

最終的には、ビルダーや工務店が

どのような家作りを目指すかにかかっています。

 

耐震等級3を目指す工務店に

最適な制振装置が存在します。

 

強く堅固な建物に対して

有効な働きを持つ制振装置は、

耐震等級3を標準とする工務店にとって

その強さを長く維持してくれる

理想的な選択肢です。

耐震等級3と制振装置の重要性を理解し、

適切な家作りを推進していくことが、

将来の安全な住環境の構築に繋がると考えています。

 

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