これって勘違い?住まいづくりの常識・3
コロナ禍が全世界を覆い尽くしています。
日本ではすでに第2波?、第3波の危険性を孕んだままです。
「住まいづくり」は今まで通りで良いのか?
現在も私たちは、3密を避け手指の消毒を行いマスクを着用して、感染しないように徹底しています。
しかし、ご自宅の中の状況はいかがでしょうか。
以前、テレビニュースで、室内でくしゃみをした人の飛沫(ウィルス)が部屋中に蔓延していく様子を、スーパーコンピューター「富岳」が描いた動画で伝えていました。
新型コロナウィルスは飛沫感染(または、エアロゾル感染)します。
密閉された部屋の中でウィルスが蔓延している状態は、明らかに感染リスクが高いです。
住まいにおいて家族間の感染リスクを低下させるにはどうしたら良いか?
密閉した空間を作らないことが肝心です。
でも、24時間ずっと窓を開けっぱなしにはできませんよね。
住まいのコロナ対策として、「24時間換気設備」の設置が効果的です!
「24時間計画換気」によって、ウィルスを確実に家から外部へ排出する事が出来ます。
住まいの「24時間換気」は、2003年の建築基準法改正で義務化されました。
2時間に1回部屋中の空気をすべて新鮮な空気に入れ替えます。
確認申請においても24時間換気は審査されています。
ですから、今更そんなこと言わなくても安心なのでは…。
でも、大切なことに気づいて頂きたくてこのブログを書いています。
ご興味のある方は、どうかここから先をお読みください!!
換気設備は、期待通りに働く?働かない?
換気設備を設置したら機器の性能通りに換気ができると思いますね。
でも実際はそうならない場合がある事をお伝えします。
こんなチャートをご覧になったことはありますか。
これは、Ⅰ:周りに何もない開けた環境、Ⅱ:通常の住宅地、Ⅲ:密集した市街地それぞれの地域で、外で吹く風の風速によって、どれくらい家の中の空気が自然に入れ替わるかを示すチャートです。
たとえば、室内温度が20℃室外の温度が5℃その温度差が15℃、外の風の風速が毎秒4メートルでその家のC値が1の場合、家の隙間から1時間に0.1回分の空気が漏れます。
つまり、1時間ごとに家の空気の1割がコントロールできずに、換気扇の働きとは無関係に漏れていることになります。
それを表したのが下のチャートです。
図にはありませんが、仮にC値が5の住まいだと0.5回分、つまり家の空気の約半分が1時間で入れ替わることになります。
ご自身で同じように線を引いてみてください。
空気が入れ替わることはいい事じゃないか!?
なんて思わないでくださいね。
せっかく空調機で温めた空気や冷やした空気が、勝手に逃げていくのです。
「この空調機、効きが悪いなー」なんて言うことに。
これこそ全く電気代の無駄!!
それよりも、このコロナ禍では計画的に全体の空気が動くわけではなく、
把握していない隙間から勝手に空気が動くわけですから、
ある場所では良く空気が入れ替わり、
ある場所では全く空気が入れ替わらない事が起こります。
排出されるべき汚れた空気、ウィルスが、いつまでも家の中に残ることになります。
ここでお伝えしたい事は、
計画的に確実な換気を行うために、家の隙間を無くすことが大切です!
無駄な空気の漏れが無い事で、計画的な換気が可能になり、電気代もコントロールできます。
このブログを読んでC値の意味を知って頂き、
ご自身の住まいの基準をお持ちになるきっかけになればと思います。
今回は、家の隙間が私たちの暮らしにどれだけ大きな影響を及ぼすかを知って頂けたと思います。
ただ残念なことに、C値は住まいの法律で基準を示されていません。
その理由は全く分かりませんが、
私たちの住まいづくりは、法律以上に必要だと判断することはすべて住まいづくりに取り込んでいきます。
これが私たちの住まいづくりです。
みなさんの住まいづくりが成功し、
幸せな暮らしと素晴らしい人生を送って頂けるように、
住まいづくりサポーター渡邉郁雄は、精一杯頑張ります!
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。