高性能住宅の落とし穴

除湿の難しさ、そして快適な住まいを実現するためのヒント

高性能住宅は、断熱性・気密性が高く、

光熱費の削減や快適な室内環境を

実現できる点が大きな魅力です。

 

しかし、近年、高性能住宅において

「除湿が難しい」という声が

多く聞かれるようになりました。

ここでは高性能住宅の除湿の難しさ、

その原因、そして快適な住まいを

実現するためのヒントについて解説していきます。

南側の窓、小さくするべき？超高性能住宅のジレンマと快適な住まいを考える

「南側の窓は小さくして、FIX窓にして、

気密も取れば、熱損失が減って良い」

ハウスメーカーさんには、

そう考える方も多いようです。

 

確かに、窓は家の熱の出入り口。

小さくすれば、熱の逃げ道を減らせるので、

断熱性能は高まります。

南側の窓を小さくすると何が起こる？

しかし、南側の窓を小さくすると、

太陽の光を取り込む量が減ります。

冬は、太陽の光が貴重な熱源となるため、

室内が寒くなってしまうのです。

「熱の損失は考えないといけないけど、

それ以上に太陽の光を取り込むことが大事」

これは、多くの人が共感するところではないでしょうか。

夏は窓が小さい方が良い？

夏は、太陽の光を遮断したいので、

窓は小さい方が良いと考える人も多いでしょう。

 

壁を厚くして断熱材をたっぷり入れれば、

エアコンの効きも良くなりますし、

付加断熱をすればさらに効果はアップします。

高性能住宅のジレンマ

高性能住宅は、高い断熱性能を持つため、

エアコンの効きは抜群です。

しかし、夏は気温も湿度も高い状態。

設定温度に達するとエアコンは運転を停止し、

湿気を下げる機能は停止してしまいます。

快適な住まいを実現するために

南側の窓をどうするか、

壁をどうするか、

断熱材をどうするか。

快適な住まいを実現するためには、

様々な要素を総合的に考える必要があります。

快適な住まいとは、

• 冬は暖かい、夏は涼しい
• 湿度が快適に保たれている
• 太陽の光を効率的に取り込める

このような条件を満たす必要があります。

快適な住まいを実現するためのヒント

高性能住宅で快適に過ごすためには、

どのような対策が必要なのでしょうか。

• 窓の設計: 南側の窓は、日射取得と日射遮蔽、通風を考慮した太陽に素直な設計が重要です。
• 夏場の日射遮蔽: 夏場には、葦簀やアウターシェードなどで日射を遮蔽することによって、室温の上昇を抑え、効率的なエアコンの冷房効果が得られます。
• ハニカムブラインド: ハニカムブラインドは、日射を遮蔽しながらも、室内の熱を逃がさないため、夏場の湿度対策に有効です。

高性能住宅は、省エネで健康を維持できる

快適な住まいの選択肢の一つですが、

その性能を最大限に引き出すためには、

太陽に素直な設計と、

適切な日射コントロールが必要です。

特に、夏場の湿度対策は、

快適な住まいを実現するために重要な要素です。

一番の問題は、高性能住宅の作り手である工務店の知識と技術力です！

高性能住宅におけるUA値・C値というのはあくまでも1つの基準・基本であり、それだけで住み心地がいい・快適だとは、絶対にならない。

UA値やC値が低いからといって、

必ずしも快適な住まいになるとは限りません。

住み心地の良さは、温度、湿度、風通し、採光など、

様々な要素が複雑に絡み合って決まります。

 

特に大きく関わってくるのは、

空調計画と換気計画です。

高性能住宅を依頼しようと考えている工務店から、

「エアコンは各部屋に付ければ良いですよ。」

なんて言葉を聞いたらその時点で「アウト！」です。

 

工務店やハウスメーカーの、

高性能住宅への理解や考え方が、

正しいかどうか、

浅いか深いかを判断することは難しいですが、

ご自身とご家族のために、

ご自分で知識を蓄積することを辞めないでください！

知識の蓄積を継続していると、

誤った説明を聞いた時に、

理屈抜きに不思議と違和感を感じるようになります。

 

今回ご紹介した内容が、

高性能住宅の建て方や選び方、

住み方の参考にしていただければ幸いです。